《協力会メンバーのご紹介》菱山 武雄さん
Q1.みさか有機の郷づくり協議会に関わるようになったきっかけを教えてください。
もともと私は山梨県御坂町上黒駒で生まれました。
しかし生まれてすぐに東京へ行ったので、ずっと自分が山梨県人だという意識はありませんでした。
東京では大手広告代理店で働いていて、たまたまたその当時の取引先の社長さんが山梨県出身でその方が会長を務める山梨県人会連合会に入らないか?という誘いがあり加入したところから急に山梨との繋がりが深くなりはじめました。
当時、東京に住む山梨県人120万人と山梨県人80万人が協力して山梨県を盛り上げるべく、《ふるさとリンケージ200》というスローガンを掲げていたのですが、県人会の中の1人で、みさか有機の郷づくり協議会の事務局長を務める根津さんの叔父にあたる方と親しくなり、カルタファームの存在を知りました。
有機野菜のニーズは都市部でも増加傾向にあり、市場も近いのため、”有機野菜で山梨県を盛り上げたい”という想いから、是非紹介してほしいと伝えて根津さんとの付き合いが始まりました。
Q2.菱山さんが感じる有機野菜というものの魅力は何だったのでしょうか?
山梨県とは?と考えた時に山梨県を歩き回った結果、やはり農業が軸になってないといけないと考えました。
しかし県政として農業をきちんとしてないとも感じていました。
また、私は日本で3番目に大きい広告代理店で働いていたため”このままでこの社会はいいのか?”という疑問を常に持っていた時期でもありました。
日本の社会がグローバリズムの波に飲み込まれる最先端の場所に居たので身をもって色々なことを経験しました。
人は自分の意思でどうやって人生を全うしていくのか?
自分はそのようなアンチテーゼを世界に問うていきたいと考え続けていたところ”パーマネントカンルチャー”に出会い「持続可能」というよりも「いかに生き残っていくか」という命題にたどり着き、これからの人たちは「地域」や「家族」を大事にしながら豊かに暮らしていくことが一番幸せを感じるのではないかという結論に至りました。
現在、農業は大量生産でいかに安価に商品を作るかが勝負になっている。
農薬をバンバンばら撒いた野菜を人の健康を顧みず利益優先で生産しているというところにおいても無農薬野菜や有機野菜には色々な面で可能性を感じております。
Q3.これからのみさか有機の郷づくり協議会の課題などがありましたら教えてください。
協議会というよりも山梨県、ひいてはこの笛吹市については東京からの観光客も日帰りができる距離なのですが、できれば笛吹市に滞在してもらいたい。そこで私と事務局長の根津さんとクラインガルテン※を展開できないか当時の市長に相談をしたが様々な事情から受け入れてもらえなかったんです。
例えば農業体験などで笛吹市に来てもらっても宿泊する場所が温泉旅館などしかない。
シェアハウスやゲストハウスのように気軽に宿泊ができて、「農」との関係を深められる場所をこの笛吹市に展開していきたいという考えから2年前から御坂町八千蔵に畑つきの民家を借りています。
今後はここに滞在、もしくは週末だけ来てファームスクールに参加して農業体験をしたり、本格的に農家に転身するような人たちが増えてきてくれると、この笛吹市という町にもより多様性が生まれるのではないかと考えています。
クラインガルテン※とはドイツで盛んな200年の歴史をもつ農地の賃借制度。詳しくはコチラをご参照ください。